かしお・かずお
昭和4(1929)年、「カシオ4兄弟」の三男として東京都で生まれる。昭和21(1946)年、長兄の忠雄が東京・三鷹市で樫尾製作所を創業。昭和24(1949)年、日本大学高等師範部英語科を卒業した和雄はこれに合流した。昭和32(1957)年には次兄の俊雄が開発を手がけた小型電子計算機「カシオ14-A型」が完成。世界初の量産型計算機として商品化に成功した。これを機にカシオ計算機へ社名変更し、株式会社に改組。昭和47(1972)年には電卓業界に衝撃を与える空前の大ヒット商品「カシオミニ」を発売した。世界初のパーソナル電卓として認知されるカシオミニは「答え一発」のテレビCMとともに、当時としては驚異的な1万2800円という低価格でリリースされ、10カ月で100万台を、翌年末までに200万台を販売。シリーズ累計販売台数は1000万台超を記録した。昭和58(1983)年には耐性硬質樹脂を素材に使用したデジタル式腕時計「G-SHOCK」の販売を開始。時計専門店だけではなく家電量販店などにも販路を拡大し、世界的な人気シリーズに育て上げた。「カシオ4兄弟」は長兄の忠雄が財務、次兄の俊雄が開発、和雄が営業、末弟の幸雄が生産を担当し「適材適所の見本」と評された。長兄の後を継ぎ昭和63(1988)年から平成27(2015)年まで長期にわたって社長を務めた。平成30(2018)年、89歳で死去。