こばやし・こうじ
明治40(1907)年生まれ。山梨県大月市出身。山梨県立都留中学校(現・山梨県立都留高等学校)から旧制松本高校理科甲類を経て東京帝国大学工学部電気工学科を卒業。昭和4(1929) 年、日本電気に入社。昭和39(1964) 年に社長就任。同年、松下電器産業(現・パナソニック)の総帥で〝経営の神様〟と呼ばれた松下幸之助が「金食い虫で儲からない」としてコンピュータ事業からの撤退を表明。この際、小林は「松下さんともあろう人が、この有力な未来部門に見切りをつけるとは、いかにも残念。コンピュータは今でこそソロバンが合わないが、これは将来必ず、家庭電器の分野にも不可欠なものになる」とコメントした。昭和51(1976) 年には会長となり、その翌年に米国のアトランタで開催された「インテルコム77」においてコンピュータと通信の融合をうたった「C&C」(コンピュータ&コミュニケーション)の理念を提唱。NECを通信、コンピュータ、半導体を主軸とした総合電器メーカーへと発展させ「中興の祖」と呼ばれた。平成8(1996)年、89 歳で死去。