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おおや・しんぞう

明治27(1884)年生まれ。群馬県出身。東京高等商業(現・一橋大学)から大正7年に鈴木商店へ入社。大正14年から帝国人造絹絲へ派遣され、昭和20年11月には社長に就任。参議院議員だった昭和22年からの9年間を除き、一貫してトップの座に君臨した。東レとの共同ブランド(登録商標)であるポリエステル系合成繊維「テトロン」を導入し、経営危機に陥っていた帝人を瀬戸際で救った中興の祖といわれる。帝人を世界的な化学合成繊維メーカーへ成長させるとともに、繊維業界のリーダー的な存在として政界にも影響力を持った。議員在職中は商工、大蔵、運輸の各大臣を歴任。一方「死ぬまでやめない」が口ぐせだった社長在任期間は26年余におよんだ。95歳で死去。左記の言葉はトップの孤独さを意味するものと解釈されているが、没年となった昭和55(1980)年、入院中の大屋を見舞いに訪れた当時の副社長ですら、ベッドから5メートルの距離で会話したほどの「近寄りがたいカリスマ性とワンマンぶり」を自嘲する意味も込められているという。


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