【3親等】(2014年4月号)


3親等とは、どこまでの〝身内〞なのかご存知だろうか。自分の「血族」ならば伯父さんや叔母さんの配偶者、甥や姪の結婚相手までが3親等にあたる▼配偶者側、つまり「姻族」では伯叔父母、甥姪までが3親等で、その配偶者は含まれない。直系でカウントすると尊属は曾祖父母、卑属は曾孫までがこれに該当する。ちなみに血族の場合は曾孫の配偶者までが3親等に含まれる▼昨年末、特定秘密保護法の強行採決をめぐって国会は大荒れとなった。「改正生活保護法」はその陰に隠れるようなかたちでひっそりと成立したものだ▼不正受給者への罰則強化などを盛り込んだ改正法は、この制度を支える高額納税者の要望に沿ったもの。しかし、成立した条文をよく読むと富裕層ほどこの改正に反対するべきだったと思えてくる▼〝身内〞の誰かが生活保護の受給を申請すると、3親等以内の親族は「扶養義務者」とされる。扶養を断った場合、改正法では扶養義務者の資産状況を調査できるようになった。「結婚式以来、一度も会ったことがない」ような〝身内〞であっても、富裕層はその扶養義務まで負わされかねないのだ▼「社会の貧困」を高額納税で支えたうえに、「親類縁者の困窮」まで「一族で、最も貧乏でないもの」が面倒を見なければならいというのでは、一体、なんのために納税しているのだろうか。