〝大昔〞と感じる時間の経過について。まず、会計ソフトなどの「弥生」シリーズが販売を開始してから、今年で30周年になるという。誰もが知る定番中の定番商品だけに、その年月に納得してしまうところだが、あらためて振り返ってみると、30年前というのはかなり〝大昔〞なのだ▼昭和62(1987)年、当時はインターネットやパソコンはおろか、携帯電話すらまだ普及していなかった。弥生はこうした時代にリリースされたというのだから驚きだ▼この年の1月1日、北京の天安門広場では民主化を求める学生数百人がデモ。天安門事件はこの2年後だから、30年前というのがどれだけ〝大昔〞であるかが実感できる▼国鉄の分割民営化によりJRグループが発足したのもこの年だ。職場の若手に、うかつにも「コクテツ」などと言おうものならば、「なんですかソレ?」と不思議な顔をされてしまう。30年とはそういった年月なのだ▼世界の人口が50億人を突破したのもこの年のこと。人気の女性お笑いタレントが、決めセリフで「35億」と言っているのは、現在の「地球上のオトコの数」のことだから、世界の人口はこの30年で20億人増加したことになる▼ニューヨーク株式市場が大暴落し、世界同時株安に陥った「ブラックマンデー」も30年前の出来事。〝大昔〞のこととして忘れていると痛い目に合いそうだ。