8月のカレンダーを見ると10日が祝日となっている。2016年に国民の祝日として新設された「山の日」だ。本来、8月11日に固定されている祝日だから、今年は移動したわけだ▼祝日を、従来の固定日から特定週の月曜日に移動させる「ハッピーマンデー制度」。96年にスタートした「海の日」も制定された当初は7月20日に固定されていたが、03年からは7月の第3月曜日となっている▼山の日も、今年からハッピーマンデー制度の対象となって移動したのかと思ったが、そうではない。東京五輪が開催されていれば閉会式は8月9日に予定されていたので、その翌日を休日とするために特例で動かしたものだ▼オリンピックは、いまのところ1年間の延期となっている。来年、もし開催できたとしたら閉会式は8月8日。だから山の日も9日の月曜日に移動させることを想定していたらしい。しかし与党内から「長崎原爆の日」を祝日にするのは望ましくないという意見が出たため、8日の日曜日に移動させて、9日は振替休日とする方向で調整しているという▼6日、9日、15日と、8月には特別な理由のある日が多い。そして12日は85年に「日本航空123便墜落事故」の起きた日だ。あの日から35年、遺族は今年も慰霊登山のために休暇を取って高天原山(通称「御巣鷹の尾根」)に登る。