非居住者の事業拠点

ホテルの一室は「恒久的施設」?


 国内に住所があるか、あるいは1年以上住所がある個人を、税法上では「居住者」と規定し、それ以外の人を「非居住者」と分類している。

 

 非居住者の所得で課税対象になるのは日本国内の源泉所得だけだが、その非居住者が日本国内に支店や出張所などの「恒久的施設」を持っていると総合課税の対象になる。

 

 恒久的施設とは、支店、出張所、事業所、事務所、工場、倉庫業者の倉庫など、事業活動をしている施設を指す。資産の購入、保管のために使う場所はそれに該当しない。

 

 恒久的施設か否かは、形式ではなく機能面で判定される。例えば、事業活動の拠点となっているホテルの一室は、事業所などと称していなくても恒久的施設だ。一方、倉庫と呼びならわしていても、単なる製品の貯蔵庫は恒久的施設に該当しない。(2016/08/04)