金地金を5年超保有

売却益の税負担半減、200万円超は筒抜け


 「金の延べ棒」などの金地金の保有期間が5年を超えると、売却時に課税される譲渡所得税は保有期間5年以下のときの半分になる。

 

 金地金を売却して50万円以上の利益がある人は、その利益を給料などのほかの所得と合わせて申告する。金を持っていた期間が5年以内なら「金の譲渡益+金以外の総合課税の譲渡益―50万円」に課税されるが、5年超ならその課税価格を2分の1にできるので、売買のタイミングを考えるうえで必ず覚えておきたい。

 

 ただし、金地金の現物の売買ではなく、金投資専門口座や金貯蓄口座を使って行う金融取引に類似した取引であれば、一律20・315%(所得税と復興所得税15・315%、地方税5%)の税率による源泉分離課税として納税する。

 

 貴金属を取り扱う店は平成24年以降、金地金の1回の取引額が200万円を超えるときは税務署に「金地金等の譲渡の対価の支払調書」を提出することが義務付けられており、納税者の取引状況は筒抜けであることを覚えておきたい。支払調書には売却した貴金属の種類や数量、支払額、支払い年月日が記されている。

 

 なお、金地金を相続で取得したときの評価額は被相続人が死亡した日の小売価格となり、贈与で取得したときは贈与成立日の価格になる。(2017/02/09)