民法の相続分野が40年ぶりに見直される。遺産分割後も配偶者が自宅に住み続けられる「配偶者居住権」や、婚姻期間が長期間であれば住居を遺産分割の対象から外す制度が新たに適用されるなど、相続のあり方を変える改正点も多い。
さらに改正法には、自筆証書遺言の本文に添付する「財産目録」につき、パソコンで作成しても法的に有効とする見直しも盛り込まれた。現状では、自筆証書遺言は財産目録も含めて全文を自筆しなければならない。過去には不動産目録がタイプ印刷された遺言書を無効とした判決(昭和59年東京高判)がある。その遺言は目録を参照しなければ相続させる財産を特定できない書き方であり、目録が自筆されていない以上、全部が無効とされた。
民法改正後は、財産目録をいちいち手書きしなくても済むようになるが、署名や作成日時は手書きで記入する必要がある。ゴム印で代用することは認められていない。ちなみに日付に関しては、日付を確定できない「○年○月」や「○年○月吉日」といった記述だと無効となる。(2018/06/26)