遺留分を請求する順番

遺贈された財産から先に


 遺言書に「次男にはビタ一文やらない」と書かれていたとしても、子には民法で定められた最低限の遺産を受け取る権利がある。これを遺留分という。

 

 遺留分を請求できるのは配偶者、親、子で、「きょうだい」は含まれない。ただし親がいない場合は祖父母、子がすでに死んでいれば孫も遺留分を主張することができる。

 

 遺留分を計算する上で算定基礎となる金額には、相続が発生した時点で残っていた遺産はもちろん、一部の生前贈与も加算される。

 

 遺言で財産を受け取るのは「遺贈」、生前に受け取るのは「生前贈与」、生前の贈与契約に基づいて死亡時に受け取る方法は「死因贈与」となる。遺贈と死因贈与は似ているが、前者は受け取る側が断れるのに比べ、後者は両者合意の契約による贈与のため受け取る側が一方的に放棄できない点などが異なる。

 

 遺留分を請求できる順番は、①遺贈、②死因贈与、③生前贈与――となっている。なお複数の生前贈与がある場合には、相続発生時点に近いものから順番に遺留分請求の対象となる点も押さえておきたい。(2021/02/08)