転勤族の「小規模宅地の特例」

単身赴任で実家に家族残せば適用可能


 相続した自宅の土地の相続税額を8割減額する「小規模宅地の特例」は、被相続人の配偶者なら基本的に無条件で適用できるが、それ以外の親族は相続時点で被相続人と同居しているか、相続発生前の3年以内に持ち家を持っていない状態でなければ利用できない。

 

 同居していたかどうかの判断基準は意外と厳しい。被相続人と共に日常生活を送っていなければならず、実家とは別の場所に住まいがある人が月に2〜3回実家に戻って親と過ごす程度だと適用が認められない。

 

 このため、転勤によって親の家から離れていた人は、税務上では基本的に「別居していた」と判定され特例の対象にならない。ただし、転勤で家を離れていたとしても、親の持ち家に配偶者や子を残して単身赴任をしていたなら、生活の拠点がその家にあると判断されて評価減できる。赴任先の家はあくまでも仮住まいに過ぎないとみなされるわけだ。家族を実家に残すことが条件なので、独身の転勤者はこの方法を使えない。(2018/03/05)