市販の業務用ソフトでは使い勝手が良くないなどの理由で、独自に自社専用のプログラムを開発して使っているケースがある。このような自社開発ソフトは、市販ソフトと同様に減価償却資産に該当するものの、償却できる取得価額の計算方法が異なっているので注意が必要だ。
ソフトが市販のものであれば、その取得価額にはソフトの購入代金に加えて、導入時の設定作業コストや、市販ソフトを自社のシステムの仕様に合わせるための修正作業費が含まれる。一方、自作ソフトでは、原材料費と事業に利用するために「直接要した費用」が取得価額となる。
「直接要した費用」には、人件費や開発に使ったパソコンのリース代などが該当する。ただし計画の変更によって、開発済の部分が不要となったときには、その部分を開発するために使われたコストは含まれない。
ソフトウェアは減価償却資産のうちの「無形固定資産」に該当し、市販か自作にかかわらず、その耐用年数は「複写して販売するための原本」と「研究開発用のもの」なら3年、その他は5年となっている。また償却の方法は、耐用年数ごとに同じ額を損金に算入する定額法のみが認められている。ただし取得価額が30万円未満であれば、中小企業なら全額を一括で損金にすることができる。(2020/03/11)