空室でも減価償却できる

賃貸物件 募集広告や清掃状況で判断


 アパマン賃貸経営での空室リスクを考えてみる。まず空室によって家賃収入がないことは当たり前として、経費計上できる額も減ることになる。

 

 例えば、空室分の固定資産税や火災保険料、借入金の利息などは計上できない。これは、空室は「事業」として何ら役に立っていないという税務会計上の判断だ。そして事業用ではないのだから、当然減価償却費も計上できないことになる。

 

 ただし、空室であっても減価償却費を計上できる例外もある。それは、①空室が一時的なものであり、②入居者の募集を継続して行っており、③いつでも稼働できる状態であると認められる状態である――という3つの条件を満たしているときだ。

 

 ここでいう「一時的」とは、おおむね1年未満とされ、「募集」は実際に入居者を募る広告や看板を出しているほか、不動産会社に賃貸物件として登録していることなどが必要になる。そして「いつでも稼働できる」かどうかは、維持補修や清掃がなされているかどうかで判断される。これらが認められれば、減価償却費以外の部分でも経費計上できることになる。(2020/06/19)