税務署の指摘に納得できない

不服審判所で審査


 国税当局の税務調査を受けて修正申告を迫られたとしても、その指摘に必ずしも従う必要はない。調査官は税金を専門に扱っているとはいえ、法解釈のミスや認識の相違はあり得る。また、複数の解釈ができるような法律が適用されるケースでは、たくさん徴税したい当局と、できる限り納税額を抑えたい納税者とで見解が分かれることがある。

 

 どうしても納得できないときは、税務署に再調査を依頼する。それによって課税処分が覆らなければ、第三者機関である国税不服審判所に判断を委ねることになる。なお、以前までは税務署の再調査を受けた後でなければ審判所に審査を求めることができなかったが、2016年4月以降は審判所に直接審査依頼することが可能となった。

 

 審判所は国税庁の付属機関としてスタートしたが、現在は国税当局から分離された別個の機関と位置付けられている。ただし、第三者機関ではあるものの、その判断は国税当局と変わらないことが多い。納税者の主張が全部認められるのは毎年2%弱にとどまる。最近ではサッポロビールの主張が審判所で認められなかったことが記憶に新しい。

 

 審判所でも納税者の主張が認められなければ裁判所に訴訟提起する。勝訴すれば納め過ぎた税額が還付されることになる。(2016/12/23)