税制改正リスクにご用心

節税対策も見直しを!


 毎年夏ごろに各省庁は税制改正要望をまとめ、これを基にして与党が12月、翌年度の税制改正法の原案「税制改正大綱」を公表する。政府は大綱に従い、年明けの国会に改正法案を提出し、国会を通過した法律が4月1日までに施行される。東日本大震災などの非常時を除き、基本的にはこのような流れで税制は改正される。

 

 税制は毎年変わるため、現行法を基にした節税策が通用しなくなる「税制改正リスク」がつきまとう。

 

 例えば相続税では、相続財産の額から差し引く基礎控除額が「5千万円+1千万円×法定相続人数」から「3千万円+600万円×法定相続人数」へと平成27年に引き下げられており、旧法を前提に相続税対策を講じていた人は早急に見直さなければならない。

 

 生命保険や不動産にかかわる税制も頻繁に変わっている。税制改正リスクがあることを踏まえ、税理士への相談や専門紙での情報収集により、常に新たな税制を知っておく必要がある。(2016/11/23)