社食の代わりに飲食店と提携

会社負担分は消費税の課税仕入れ


 A社は社員食堂を自社で運営するのではなく、別の事業者が経営する飲食店と提携し、社員が〝社食〞として利用できるようにした。社員には「社食利用券」を支給し、飲食店がそれを受け取ったときには100円割り引くことになっている。A社は利用券の利用枚数に応じて定期的に飲食店にお金を支払うこととした。

 

 このときの飲食店への支払いは、消費税の仕入れ税額控除の対象になり、売上に掛かる消費税額から差し引ける。A社が社員の食事の100円分を飲食店から仕入れ、社員に支給しているのと同じであり、また飲食店がA社から受け取るお金は「食事の提供」という役務の対価の一部であるためだ。

 

 会社直営の給食施設で社員に食事を提供するのであれば、食事が無料なら対価の受け渡しがないので消費税は掛からず、お金を徴収するなら資産の譲渡があったとして消費税が課税される。食事の代金が市場価格と比べて安いかどうかは関係ない。原材料の購入費、水道光熱費などの施設維持費用は課税仕入れになる。(2016/12/18)