福利厚生の一環として、自社製品を低価格で社員に販売する「社員割引制度」を採用している会社は多いが、あまりにも一般価格とかけ離れた低い価格設定にすると、社員に経済的利益がある「現物給与」とみなされて給与課税されてしまう。
現物給与として給与課税されないのは、値引き販売額が、会社が商品取得のために必要だった価額以上であり、かつ、一般価格と比べて著しく低い価額ではないことが条件となる。ここでいう「著しく低い価額」は、通常販売する価額の「70%未満」のとき。
また、給与課税されない要件には、値引率が、役員や社員全員に一律であるか、あるいは地位、勤続年数に応じて全体として合理的なバランスが保たれる範囲で格差を設けていることも挙げられる。
さらに、値引き販売をする商品の数量は、一般の消費者が「自己の家事のために通常消費すると認められる程度」でなければならない。この条件を超えて社員が購入した分は、福利厚生の枠を超えるとみなされ、給与として課税される。(2016/05/18)