相続税を納められないときには、相続財産を国庫に納めることで納付を完了させる「物納」が認められている。しかし、相続した土地を物納したいが、「やむを得ない理由」で納税額に見合うだけの土地をきっちり分割できないこともあるだろう。
こうした場合、納税額以上の価値を持つ土地全体を納めて、その後に国から〝おつり〞を受け取ることができる。これは「超過物納」という制度で、ほかに物納に向いた財産がない場合に限り認められている。
注意したいのは、この〝おつり〞の税務上の取り決めだ。相続した土地を売ったときに相続税の一部を経費と認める「取得費加算の特例」では、超過物納の「おつり部分」も取得費の計算に含めてよいことになっている。
超過物納の際の「やむを得ない理由」とは、分筆後に物納に充てようとする土地と、分筆して手元に残る土地のいずれもが、その地域で通常の用途に利用することができないとき、さらには法令等の規定により一定の数量または面積以下に分割することが制限されているようなケースを指す。(2018/03/22)