相続税の申告後に自分名義の通帳発見

名義預金も課税対象


 面倒な遺産分割が終わり、相続税の申告も済ませ、ほっと一息ついたとき、タンスの奥から申告時には気付かなかった預金通帳が出てきた。相続人である自分の名義であることからすると、親が子どものためにと考えて貯めておいてくれたものだろう。

 

 すでに申告を済ませた後なので、遺族としてはちょっとしたお年玉のような気持ちになり、いまさらながら亡き親に感謝するかもしれない。だが、これはれっきとした相続財産であり、税額訂正の手続きをとらずにいると過少申告加算税の対象になるものだ。

 

 たとえ口座名義が自分であっても、親が保管しており、さらにその預金の存在すら知らなかったのであれば、子どもの固有財産とはみなされず、相続財産として課税対象になる。そのため、修正申告という手続きで税額を訂正し、正しい税額を納めなくてはならない。

 

 こうしたいわゆる名義預金は、税務調査官が常に目を光らせているところであり、さらに日本の金融機関の情報は当局によって丸裸にされていることを考えれば、隠すことのリスクは大きい。自主的に修正申告しなかったときのペナルティーだが、調査の事前通知を受けた後に修正申告をすると、新たに納める税金の5%に加え、「元々の納付税額」と「50万円」のうち多い金額を超えた部分に10%が加算される。(2020/08/12)