相続税の申告にも書面添付

リスク対策として検討も


 税務申告の際には、税理士が申告内容についての細かい計算事項や閲覧した資料、整理の経緯、税法解釈の根拠などを書面にして添付することができる。「書面添付」と呼ばれるもので、国税庁は積極的な活用を呼び掛けている。

 

 相続税の申告でも、書面添付が利用される。法人税などに比べてイレギュラーな申告であることから、内容について補足説明が必要になりやすいという理由に加えて、扱う金額が大きいため、税務調査を受けて未申告財産などが発見された際に「私はここまでしか把握していなかった」と、税理士が責任範囲を明確化できるという事情もある。

 

 書面添付のあった申告に対して税務署が調査を行う場合には、調査前に税理士から意見聴取しなければならない。その場で申告漏れが見つかっても修正すれば、自主的な修正申告とみなされて、過少申告加算税や重加算税が課されない。万が一のリスク対策として書面添付を検討する価値はあるかもしれない。(2020/02/03)