海外で支払った罰金

損金には算入できない


 海外支店の取引上のトラブルにより、内国法人が現地で罰金を支払うことになってしまったとする。外国の司法・行政当局や公共団体などから課された罰金・科料について日本の法人税法では、損金に算入できないことが定められている。

 

 ここでいう「罰金や科料」とは、裁判手続(訴訟手続)を経て外国で課されたペナルティーのことを指す。アメリカなどで行われている、いわゆる「司法取引」により支払うことになったものも、裁判手続きを経て課された罰金または科料に該当する。

 

 ちなみに、国内でかかる罰金や科料も損金に算入することはできない。これらは社会秩序維持のための制裁として課される性格のものであることから、ペナルティーである罰金や科料が損金算入できて節税効果につながるようであれば、本来の目的に反してしまうためとされている。(2021/01/15)