税金には「納税地」という考え方があり、国税でいえば全国524の税務署が管轄する納税者の所在地のことを指す。市区町村といった行政単位とは異なるため、自分が税金を納めるべき税務署を間違える人も少なからずいるようだ。
さらにややこしいのは地方税だ。事業者の地方税の納付先は、基本的には事業所がある地域の都道府県税事務所と市区町村となる。一般的には本店所在地で納付するが、もしも本店に社員や設備を配置せず、そこで継続して事業をしていないのであれば、実際に社員や設備を配置している支店の地域で申告納付するのがルールだ。
営業所を設置する際の届け出で「本店所在地では事業を行わない」といった記載をすることで、本店地域には地方税を納める必要がなくなる。なお、本店と支店の双方で事業をしている事業者は、それぞれの地域の都道府県事務所または市区町村ごとで申告納税が必要となる。
納税額は、会社全体の地方税を本店と支店の規模に応じて按分して計算する。一方、本店で事業をせず、その所在地で地方税を納付していなくても、法人税などの国税は基本的に本店として登記した事務所の所在地で納税する。(2020/04/03)