国税を納期限までに納付しないと、日数に応じて延滞税が掛かるだけではなく、税務署に財産が差し押さえられることがあるが、国税を納付すると事業を休廃止せざるを得ないときや、必要最低限の生活費収入を確保できなくなるときは、差し押さえ財産の売却が猶予される制度(換価の猶予)を利用できる。
この制度を使うと、①すでに差し押さえを受けている財産の売却の猶予、②事業継続や生活維持に不可欠な財産の差し押さえの猶予(または差し押さえの解除)、③延滞税の一部を免除――といった措置を受けられる。
猶予期間は基本的に1年以内で、その間に分割納付する。ただし、完納できない理由があると税務署に判断されれば、猶予期間は最長2年まで延びる。猶予を受けようとする国税の納期限から6カ月以内に税務署に申請して利用する。なお、猶予を受ける金額が100万円超のときや猶予期間が3カ月超のときは、担保を出さなければならない。(2016/11/27)