保険料の支払いを止めても一定の保障を受けられる「払済保険」をご存じだろうか。保険料を新たに支払う必要がない理由は、それまで積み立ててきたお金を将来の保険料に充てるためだ。ただし、保障は積み立ててきたお金の範囲内に限られるので、それまでの契約と比べて保障額は小さくなる。また、特約は基本的に引き継げず、消滅してしまうというデメリットもある。
それでもお金を払わず保険を続行できるメリットは大きい。また、保険会社の運用利回りを示す「予定利率」が高い商品ほど保険料は割安になるが、払済保険は元々の契約の予定利率をそのまま引き継ぐことができるため、予定利率が高い商品に加入している人は払済保険への切り替えが有利に働く。
生命保険の予定利率は、マイナス金利政策を受けて大きく引き下げられた。バブル期は予定利率が5%台の商品もあったが、最近ではその20分の1程度にまで下がっている。保険を解約した直後に保障額の小さい保険に入る可能性があるなら、高い予定利率を引き継げる払済保険に移行した方が得策といえそうだ。(2018/04/03)