外務省によると日本人の海外居住者は1989(平成元)年は58万人だったが、2017(平成29)年には135万人に増えている。海外へ留学する日本人も2004年の1万9000人から17年には6万6000人に増加した。
同族会社の社長が、跡継ぎとなる子どもに外国留学させる機会も増えただろう。後継者を留学させるのは、会社にとっても一種の投資であり、その費用は必要経費ともいえる。
会社が支払った留学費用を損金とするには、その留学が「業務をする上で必要であり」かつ「留学の選定方法が合理的」でなければならない。「将来のため」という言い分だけで「業務遂行上必要」と認められるのは難しい。
そのため、会社が支出したジュニアの留学費は、父親である社長への役員給与として扱われる。しかもこの役員給与は定期同額給与に該当せず、損金不算入となる。将来の投資を損金にするのは意外と難しいようだ。(2020/01/27)