医療費控除の対象となる医療費は、その年に実際に支払ったものに限られる。そのため、年をまたいで医療費を支払ったときは、支払った年ごとの医療費として計上する。そして、医療費の補てんのために受け取った保険金は、医療費控除の計算上、受け取った年に一時に医療費から差し引くのではなく、各年の医療費支払い割合に応じて差し引くことになる。
仮に昨年末に手術のために入院し、入院費100万円のうち20万円を12月に、残りの80万円を今年1月に支払い、12月には入院費を補填する保険金50万円を生命保険会社から受け取ったとする。
入院したのは昨年だが、100万円すべてを計上することはせず、昨年分として20万円、今年分として80万円を医療費控除額にする。そして、医療費を補填する保険金50万円については、昨年分から差し引けるのは「50万円×(20万円÷100万円)」で10万円、今年分は「50万円×(80万円÷100万円)」で40万円となる。(2017/01/02)