少額短期保険とは?

ペット保険などニッチなニーズに対応


 愛犬や愛猫のケガや病気にかかる費用は高額になってしまうことが多い。ペット専門サイトの「ペット総研」が実施したアンケート調査によると、病気・ケガの治療費とワクチン・健康診断などの医療費の合計額は、犬が年間平均5万4千円、猫が同5万円だった。こうした負担に備えるため、「ペット保険」に加入する飼い主が増えているという。

 

 ペット保険を提供している9社の保有保険契約数は約43万件、総保険料は132億円に上り、前年度(2016年度)からそれぞれ2割以上伸びているそうだ。

 

 ペット保険を扱う保険会社は「少額短期保険会社」で、生命保険会社や損害保険会社とは別の〝第三の保険会社〞と言われる。基本的にそれぞれ他の2種の会社が扱う保険商品と同じタイプのものは販売していない。

 

 少額短期保険会社の特徴は、保険金額が最大で1千万円と「少額」で、保険期間は商品が生保分野なら1年以内、損保分野なら2年以内と「短期」に設定されていることにある。少額短期保険は、生保や損保では引き受けが難しいユニークな保障内容が設定されている。例えば生命保険では審査に通りにくく加入が難しい糖尿病患者を対象とした保険がある。厚生労働省によると、糖尿病患者もしくは罹病が強く疑われる者は国内だけで1千万人を超えている。

 

 ほかにも、痴漢に間違われた時にその場で弁護士に無料相談できるオプションが付いた弁護士費用補償保険などもある。ニッチなニーズに応える少額短期保険だといえるだろう。

 

 生保と同様に傷害、疾病、死亡を対象とした商品もある。しかし生保とは異なり、支払った保険料を生命保険料控除の対象とすることはできない。また、少額短期保険会社が破綻しても、生保や損保と違い、加入者に一定の金額が戻ってくる保証はない。(2018/09/07)