寡婦控除は利用できる?

死別でなければ扶養家族が条件


 今年離婚したAさん(女性)の給与所得は270万円前後で、扶養親族はいない。離別後に再婚していない女性を「寡婦」と表現することがあるが、Aさんは、基礎控除や医療費控除、社会保険料控除にプラスして所得から差し引ける「寡婦控除」は利用できない。

 

 税制上の「寡婦」とは、①夫と死別や離婚した後に結婚していない人もしくは夫の安否が不明な人のうち、総所得金額が38万円以下の生計を一緒にする子どもあるいは扶養親族がいる人、②夫と死別した後もしくは夫の生死が不明になった後に結婚しておらず、所得金額が500万円以下の人――をいう。税制上の寡婦になると、所得から27万円を差し引ける。

 

 Aさんには要件①に当てはまる扶養親族はいない。また、要件②の所得要件は満たすものの、こちらは死別が条件なのでAさんは当てはまらない。(2016/12/14)