宗教法人の源泉徴収

住職・宮司へ庫裏を無償提供した場合は?


 宗教法人が職員や寺の住職に給与を支払うときには、所得税と復興特別所得税を源泉徴収するが、源泉徴収の対象となる給与は金銭で支給するものだけではなく、物の支給(現物支給)や経済的利益の供給も含まれる。

 

 例えば、法人役員や職員に寺の庫裏を無償で貸与すると、役員や職員に経済的利益が与えられたことになり、給与所得として法人は源泉徴収する必要がある。

 

 しかし、住職や宮司が庫裏や社務所に無償で住んでいても、職務遂行上やむを得ないため、源泉徴収する必要はない。法衣の支給についても同様だ。法人の役員や使用人に法被や作務衣を支給(貸与)すると源泉徴収するが、住職に支給したときは職務に必要なものであるとして源泉徴収の対象とはならない。

 

 なお、宗教法人が税理士に支払う顧問報酬や講演料も源泉徴収の対象だ。また、外国法人に報酬や不動産の使用料などを支払うときも源泉徴収する義務がある。(2016/10/19)