経営状態が芳しくない子会社に対し、親会社が無利息で運転資金を貸し付けることがある。一般的に、本来受け取るべき利息相当分は子会社への寄付金として処理する。法人への寄付金は、国や地方公共団体など一定の団体への寄付を除き、損金算入できる金額に一定の上限が設けられていて、それを超える分は法人税の課税対象になる。
ただし、その貸し付けが、法人税基本通達(9 -4 -2)による「合理的な再建計画」に基づくときや、無利息または低金利の融資が妥当であると税務署が認めたときは、子会社の倒産防止のために金銭を無償あるいは通常の利率より低い利率で貸し付けても、寄付金にならないと規定している。
再建計画を作るのに時間がかかってしまうと、その間に子会社がつぶれてしまうこともあり得る。そのため、計画策定前に子会社に金銭を貸し付けることもある。国税当局はこの点につき、再建計画の策定中であっても、緊急性が必要な貸付については、経済的利益の供与を寄付金として扱わないことがあるとしている。思わぬ税負担とならないように、専門家に相談しながら緊急融資を進めたい。(2016/09/08)