土地を使って代償分割

代替物件は贈与扱い?それとも譲渡になる?


 遺産は親の住んでいた「土地付き戸建て住宅」だけ――。こうしたケースでは、長男が土地を、次男が家屋を受け継ぐといった具合に相続人同士で遺産を現物のまま分割(現物分割)することは難しい。このようなときは、相続人のひとりが遺産のすべてを相続し、そのほかの相続人は現物遺産を相続した人から金銭(代償金)などの資産を受け取る「代償分割」が使われる。

 

 代償分割では、遺産をすべて相続した長男が、自分がもともと持っていた土地を次男に渡すことがある。土地などを代償資産として引き渡すと、その資産の時価相当額の収入があったとみなされ、税務上は贈与ではなく譲渡になり、譲渡所得が課税される。譲渡所得は「収入金額-(取得費+譲渡費)」で計算する。(2016/12/29)