各国の研究者が招かれる「国際会議」の主催団体に個人や法人が寄付すると、その寄付金額は所得控除の対象もしくは法人の損金にできる。国際観光振興機構(JNTO)を通じて寄付することが要件で、直接主催団体に寄付したときには税優遇されない。
この税優遇制度の対象になる国際会議につき、平成28年度から比較的小規模の会議も含まれることになった。昨年度までは、全参加者数が200人以上(うち外国人50人以上)で、日本を含めて10カ国以上の人が参加している会議でなければ対象ではなかったが、平成28年度以降は、全参加者数の要件が撤廃されるとともに、日本を含めて3カ国以上の人が参加していれば制度を使えるようになった。なお、外国人参加者はこれまで同様に50人以上いなくてはならない。
また、会議開催のためにかかる経費についても、小規模会議の主催団体向けに特例適用の条件が緩和された。これまでは2500万円以上の会議が対象とされていたが、500万円以上が適用対象となった。
国際会議の多くは学会や業界団体などの組織が主催しており、開催経費を寄付金に頼らざるを得ない状況が続いている。JNTOによると、この特例によって20年間で約450件の国際会議を支えたそうだ。なお、要件緩和により、国土交通省の試算では対象になる国際会議の件数が1・9倍にもなるという。(2016/10/13)