出産で入院

医療費控除の対象にならない支出とは


 出産を控えている人は身体面の負担に加え、金銭面の負担が大きく増す。さまざまな支払いが必要になり、やがて整理しきれないほどの領収書が溜まってしまうものだ。

 

 入院費用は医療費控除の対象だが、それ以外にも所得から差し引ける支出がいくつかある。妊娠と診断されてからの定期検診や検査の費用、通院交通費用は控除対象だ。

 

 ここでいう通院交通費用は、電車やバスなどの公共交通機関を利用したときの費用をいう。通常はここにタクシー代は含まれない。しかし、出産で緊急的に入院するときに支払ったタクシー代は控除対象となるので、所得から差し引くことを忘れないようにしたい。

 

 なお、通院費用に関する領収書を受け取っていないときは、家計簿へ記録しておくなどの方法で、税務署へ明確に説明できるようにしておく必要がある。

 

 このほか、入院中に病院で出される食事の代金は控除の対象だが、出前や外食をしたときは対象外。また、入院のために寝巻きや洗面具を購入したときの費用も所得控除できない。

 

 なお、健康保険組合などから受け取った出産育児一時金や出産費は、医療費控除の額を計算するときに医療費から差し引かなければならない。(2016/09/12)