独身時代に、親を保険金受取人として入った生命保険はないだろうか。結婚後も受取人を変更していないケースでは、あとあと面倒なことになるかもしれないので要注意だ。
受取人を、親から妻子へ変更するのを忘れたまま、不慮の事故で死亡してしまったとする。このとき親が「残された妻子が受け取るべき」として保険金をそのまま渡しても、「生命保険金は受取人固有の財産」という相続税法の規定に従えば、保険金が親に支払われた時点で相続税が、さらに親から妻子に渡された時点で贈与税がかかる。つまり、相続税法の原則から言えば、二重の税金が発生してしまうのだ。
ただし、契約上の受取人である親が同意しているなど、関係者の合意があれば二重課税を免れる。受取人の名義変更を忘れていたときには、契約上の受取人でない人が保険金を受け取っていても、その人が受取人として認められる。「法定相続人の数×500万円」という生命保険の非課税枠を使うことも可能だ。(2016/05/26)