会社が弁済できなくなった債務を経営者が肩代わりするため、自分の土地建物を売却したとする。通常の土地建物の売却であれば譲渡所得税が掛かるが、債務弁済目的のときは譲渡所得がなかったと税務上で扱われ、譲渡益が非課税になる。
ただし、履行した債務の全部または一部の金額を経営者が会社から回収できなくなったときに限られる。会社に弁済能力があるのに債権の回収をしないときには特例が適用されない。
譲渡所得がなかったものとされる金額は、①肩代わりした債務のうち回収できなくなった金額、②保証債務を履行した人の年間総所得金額の合計額、③売った土地建物の譲渡益の額――のいずれかのうち最も低い金額となっている。(2017/05/18)