二世帯住宅建築中に親が死亡

小規模宅地の特例つかえる?


 相続財産が住宅だけのときは、納税資金の捻出のために、住んでいる家を売らざるを得ないという事態が起こり得る。こんなとき、住宅を相続した人は、家を手放さずに済むよう、一定の面積までの税負担を軽減する制度(小規模宅地の特例)を利用できる。

 

 これは、被相続人が生前住んでいた自宅の敷地を配偶者もしくは同居していた子どもが相続したときに、330㎡までの部分の相続税評価を80%減らす制度。1億円の宅地を相続したときに制度を利用すれば、相続税評価額を2千万円にまで圧縮できることになる。

 

 相続開始直前に被相続人が住んでいた宅地であることが制度利用の条件。しかし、二世帯住宅への建替中に親が死亡してしまい、結果的に生活基盤である自宅を相続人が売却しなくてはならないようなケースを防ぐため、親子で同居するために建築工事をしている最中であれば、相続発生時点で実際に住んでいなくても制度を利用できる。(2016/10/21)