モニターへの謝礼は交際費?

宣伝費にできる「消費者」とは


 得意先や仕入れ先に対する接待、慰安、贈答などの行為は、交際費として損金算入額が制限される。しかし、カレンダー、手帳、手ぬぐいを誰かに渡すために必要な費用や、不特定多数への宣伝効果を意図した費用は、交際費ではなく広告宣伝費として損金にできる。

 

 不特定多数への宣伝効果を狙った費用の例を国税庁はいくつか挙げているが、そのなかには「一般消費者」という言葉がたびたび出てくる。

 

 例えば、「製造業者や卸売業者が抽選で一般消費者に金品を交付するための費用」「一般消費者に自社製品・取り扱い製品のモニターやアンケートを依頼したときに謝礼として渡す費用」といった具合だ。この「一般消費者」とはどのようなひとを指すのだろうか。

 

 これを考えるためには、一般消費者以外の人を対象にしているケースを挙げると分かりやすい。具体的には、医薬品の製造・販売会社が医師や病院を対象とするとき、化粧品会社が美容・理容業者を対象とするとき、建築材料の会社が大工・左官を対象とするときなどだ。こうした相手に対する支出は交際費となり、損金算入は制限されてしまう。つまり「一般消費者」とは、事業に密接な関係がないと判断できる相手のことをいうようだ。(2016/06/02)