プロ野球のシーズンシート

開幕日に損金化


 プロ野球の熱心なファンのなかには、当日券を毎回購入するのではなく、シーズンの年間予約シートを確保する人もいる。その料金は球場や座席の位置などによって異なるが、東京ドームのジャイアンツ主催試合だと最も安い席の2階スタンド最上段ブロックでも22万5千円で、バックネット裏中央上段の〝良席〞となると1席200万円にもなる。

 

 会社が取引先を接待するために年間予約シートを購入することがある。取り引きのために必要な交際であれば、その費用は一定額まで「交際費」として損金にすることが可能だ。

 

 間違いやすいのが損金算入の時期で、野球のチケットの購入費は通常「観戦日」に損金とするが、年間予約シートは「開幕日」に一括で損金にする。今年は3月開幕だったので、利益が出そうな3月決算の法人は年間予約シートの購入による〝駆け込み節税〞も可能だったということになる。

 

 なお、社長や役員が観戦するためだけに会社が購入したチケットの代金は、税務上では役員報酬と判断され給与課税となる可能性が高い。接待費として損金計上するためには取引先を観戦に招き、証拠として球場で一緒に写真を撮っておくと良いだろう。(2018/06/06)