スピーチ3分、すぐに大宴会

会議費?それとも交際費?


 社運をかけて開発した新商品をヒットさせるため、販売委託契約している販売店に奮起してもらう必要があると考えた社長さん。そこで温泉地の旅館の会議室を貸し切り、「新商品説明会」と称したイベントを開催し、販売店との結びつきを強めることにした。

 

 まず、新商品に賭ける社長の思いを3分間スピーチで披露。その後は盛大な宴会となった。

 

 このイベントに掛かった費用の会社負担分は、全額損金にできる「会議費」ではなく、損金化に上限がある「交際費」にしなければならない。このケースでは社長のあいさつも3分だけで、すぐに宴会に移っているので「会議」とは言えず、あくまでも「接待」の費用とみなされるわけだ。

 

 もちろん、その場で飲み食いがあったとしても、新商品の説明や販売方法の共有などをしっかり行っていれば、費用は会議費として処理が可能だ。会場が温泉地だからといって遠慮する必要はない。さらに、イベント全体が会議として認められれば、旅館までの往復の交通費や宿泊費用も、会議費または旅費交通費として計上し全額が損金になる。(2018/01/18)