社員に支給する通勤手当は、国税当局の基本通達によると「最も経済的かつ合理的な経路」で通勤するための金額であれば、月15万円までは所得税の課税対象にならない。
在来線だけではなく、新幹線を利用しても上限までは非課税だが、グリーン車の代金は課税対象になるので注意しなければならない。
例えば、静岡駅から東京駅に通う社員が「月に数回は新幹線のグリーン車で快適に通勤させてほしい」と願い出てきたため、月13万4千円の新幹線代(定期代)のほかに、8枚のグリーン券(約1万2千円)の代金を毎月支給して、定期券とグリーン券の合計額14万6千円を非課税の通勤手当として処理するのは間違い。
グリーン車の料金はたとえ非課税限度額の範囲内でも課税対象となるので、会社は給与の一部として源泉徴収しなければならない。また、通勤が遠距離になる社員への負担の重さを考慮し、定期券の額面にプラスして支払った通勤手当も、定期券代を超える部分は源泉徴収の対象だ。(2018/04/04)