クレジットカードで納税

ポイント還元率と手数料を比較


 わざわざ金融機関などに足を運ばなくても税金の納付ができる方法として、クレジットカード納税を利用している人は多い。以前は地方税の自動車税など限られた税目のみでクレカ納税が可能だったが、昨年から国税でも認められるようになり、対象税目が一気に広がったことも利用者増に拍車をかけている。

 

 国税のクレカ納付には税目の制限がほとんどなく、所得税、法人税、消費税、相続税、贈与税といったメジャーな税目から、印紙税やたばこ税、登録免許税までほぼすべての税目に対応している。

 

 クレカ納税は、ダイレクト納付や振替納税といった他の方法に比べて手続きが簡単だといえる。専用の「クレジットカードお支払サイト」から税金の種類や金額、クレカ情報を入力するだけで手続きが完結する点は、クレカ納税の大きな特徴だ。そして何よりクレカには「ポイント」が付いてくる。

 

 相続税や法人税では税額が数百万円になることも珍しくはない。クレカ納税の上限として税額1千万円未満かつカードの支払い限度額までという枠が設けられているが、この上限は手続き1回ごとの額のため、複数の税目をクレカで納めれば、それだけで1年間の取得ポイントが数十万円分になる可能性もある。

 

 ただしポイント目当てでクレカ納税を利用するなら、忘れてはいけないのが手数料だ。国税のクレカ納税では、税額1万円ごとに76円(1万円未満でも76円。消費税込82円)の手数料が発生する。率に換算すると0・76%(税込換算0・82%)だ。つまり、それ以上のポイント還元率の付いたカードなら得をするが、下回ると損をすることになる。

 

 還元率はカードによって異なるので、クレカ納付を利用する際には必ずチェックしたい。言うまでもないが、分割払いやリボルビング払いは金利や別途手数料によって損をする可能性が高まる。一括納付できないような額をクレジットカードで納めるべきではないだろう。(2018/01/30)