オフィスの間仕切りパネル

1枚ごとの損金処理はNG


 取得価額が10万円未満の減価償却資産(少額減価償却資産)は、その資産の利用開始年度に一括で損金処理できるが、資本金1億円以下の中小企業には30万円未満の資産まで同様の損金処理が認められる特例措置がある。

 

 パネルを複数枚購入して間仕切りとして設置するときに、少額減価償却資産の特例を適用できるかどうかは、パネル一枚ずつの価格で判定するわけではない。このパネルは、一枚で独立した機能を持っているわけではなく、数枚が組み合わさって壁の役割を果たす。そのため、たとえ個々のパネルが10万円(中小企業は30万円)という「少額」であっても、セット価格でその範囲を超えてしまえば、特例を適用することはできない。

 

 少額減価償却資産ではないと判断されたときの資産の耐用年数は、その可動間仕切りが「簡易なもの」であれば3年、「その他のもの」であれば15年。「その他のもの」とは、床から天井まですべてを覆い、天地をボルトで固定している、いわば壁と同じようなものをいう。

 

 このほか、少額減価償却資産の特例の適用可否判断例としては、応接セットの場合はテーブルと椅子が一組で機能するものであるとされるため、セット価格での判定となる。カーテンも一枚では機能せず、ひとつの部屋で数枚が組み合わされて役割を果たすとみなされ、部屋ごとの合計額で判断する。(2016/09/02)