社長さんが、その愛人にマンションをプレゼントしたいと考えた。当然、妻にはバレたくない。もちろん贈与税がかかるのも避けたい。とはいえ親族でないため税金が安くなる特例なども使えない。そんなときは「贈与税の非課税枠」(年間110万円以下)をうまく活用するしかないだろう。
この非課税枠は他人への贈与にも使えるので、毎年この枠内で現金を渡しておき、まとまった額になったときに、所有権を愛人に買い取らせれば帳簿上はすっきりとする。適正価格で譲渡すれば贈与税もかからない。
このとき、忘れてはならいのが贈与契約書の作成だ。贈与したという確実な証拠を残すことで、後に浮気がバレたとき、妻が「夫が支払ってきた110万円は贈与ではなく貸し付けたもの。だから返済しろ」と愛人に迫ることを避けられる。
そのうえで税務署からは「連年贈与」と見なされないようにしたい。110万円という非課税枠キッチリを毎年贈与すると、各年に分けた贈与が当初から計画されていたとみなされ、「一括で行われた贈与」と判定される可能性もある。
なお、浮気がバレて離婚などということになれば税金どころの話ではない。慰謝料は相当額になることを覚悟しよう。ちなみに、1月に離婚を発表したアマゾン社の創業者ジェフ・べソス氏が支払う慰謝料は、ワシントン州法に従えば7兆円だという。(2019/05/15)