売却が決定した土地を相続

契約した金額に課税


 相続で取得した土地は原則的に国税庁が定める相続税路線価に従って評価され、相続税が課される。しかし、すでに売却することが決まっている土地については、契約上の売却金額に従って評価されるというルールがある。土地というより、買い主に売却金額を請求する権利そのものを相続したと考えるわけだ。

 

 相続税路線価は実際の取引価格に比べれば低くなることがほとんどだ。このため、売却契約締結後の土地を相続すると納税額で大きな〝損〞をするという事態が生じる。

 

 実際に、このルールをめぐって過去に納税者と国税当局のあいだで争いも起きている。都内のある大地主の相続では、生前所有していた駅前の土地について、マンション開発会社に売却する契約を結んでいた。しかし遺族が、被相続人の死亡する数日前に売却契約は解消されたと主張。国税は「契約を解除した事実はなく、死後に偽った遺産隠し」と認定し、重加算税を課した。(2019/03/05)