マイホーム取得には多くの税優遇が用意されている。購入時には、親や祖父母からの贈与が最大3000万円まで非課税となり、購入後には10年以上にわたって利用できる住宅ローン減税があり、税金面以外では最大50万円がキャッシュで戻ってくる「すまい給付金」がある。
さらに、購入したマイホームが新築であれば、追加の税優遇を受けることもできる。新築物件は取得から数年間、建物にかかる固定資産税が半額になる。減免が適用される期間は一戸建てなら3年、マンションなら5年だが、耐震性能に優れるなどの一定の要件を満たせば、「長期優良住宅」として優遇期間が各2年延長される。
住宅の性能に応じて税優遇が増えるのは、「取得資金の贈与にかかる非課税特例」でも同様だが、優遇拡大の対象となる住宅は「省エネ等住宅」となっており、少し表現が異なる。
「長期優良住宅」と「省エネ等住宅」は、それぞれ要件が細かく異なるものの「一定の床面積」「耐震性能」「省エネ性能」が基準となっている点は同じだ。注意したいのは、省エネ等住宅になく、長期優良住宅にある要件の「少なくとも一の階の床面積が40平方メートル以上(階段部分を除く)」という点だ。この「一の階」とは必ずしも一階である必要はないが、最も面積の広い階が40平方メートル以上なくてはならないということ。
都心部などでは一階当たりの床面積が30平方メートル程度、3階建てで総床面積約90平方メートルという住宅も多いが、これは長期優良住宅には当てはまらないということになる。つまり贈与税の「省エネ等住宅」には該当しても、固定資産税の「長期優良住宅」の優遇は受けられない。(2019/10/21)