公示地価の決められ方

「一物五価」の基礎


 国土交通省が発表する全国の「公示地価」は、1地点につき2人以上の不動産鑑定士が現地を調査して算定される。ただし調査結果に対して、近隣の土地の売買例や賃貸収入などを基に国土交通省が調整を加え、土地鑑定委員会が最終的に決定したものが発表されている。

 

 不動産鑑定士の「ナマ」の評価ではなく、最終的に国交省の「調整」が入ることに対しての批判もある。公示地価は土地の取引価格の目安となるほか、公共事業用地を買収するときの取得価額算定の基準にも利用される。

 

 公示地価以外にも、相続税評価の基準となる「相続税路線価」、固定資産税のベースとなる「固定資産税路線価」、都道府県が発表する「基準地価」、実際に売り買いされる際の「実勢価格」など、一つの土地にいくつもの評価・価額があることから、土地の値段は「一物五価」ともいわれる。そのすべてのベースとなるのが「公示地価」というわけだ。(2019/05/29)