生命保険の保険料の支払いを続けていくのが難しくなってしまった場合、「払えないなら仕方ない」とあきらめて解約の手続きをする前に、少し考えてみたいことがある。これまで加入してきた保険を無駄にしないやり方のひとつとして、「払済保険」への変更がある。

　払済保険とは、それ以降の保険料を１円も払うことなく、それまでに支払った保険料で積み立てられた額の範囲内で可能な保障内容の保険に変更する制度だ。長所としては保険料が発生しないことのほか、保険金は減ってしまうが保障を継続できること、解約返戻金は維持されるケースがあることなどがある。ただし、当初の契約より保障額は減額され、保険料の経理上の変更処理も必要になるので注意したい。

　また、保険料を年払いにしていた場合には、月払いに変更して負担を平準化すれば保険契約を継続できるかもしれないので検討したい。もし、契約が失効してしまったとしても、一定の期間内であれば契約を「復活」させる制度が使えることもある。また契約している保険から別の保険に変更したときに、一定の期間内であれば以前の保険契約に戻すことができる「復旧」の制度もある。

　ただし、これらの手法はずべての保険会社で可能というわけではないので注意が必要だ。(2019/07/17)