使途秘匿金と使途不明金

その違いと税率は?


 支出の目的や相手を明らかにできないお金、「使途秘匿金」は損金に算入できないうえ、40%の法人税が課される。ゼネコンが地元に配る「近隣対策費」のように、公表したくない支出はどの企業にも大なり小なりあるものだが、そうした支出の損金化を認めていては不正を助長するため、きついペナルティーを設けた上で、それでもいいなら「使途秘匿金」として処理しなさいというわけだ。

 

 ただし、「相当の理由」が存在するときには使途秘匿金とはならない。「相当の理由」には、不特定多数との取り引きで相手方の住所や氏名が分からないケースや、不特定多数の顧客を相手にする事業者への支払いで、相手方の住所や氏名まで帳簿に記載しないときなどが該当する。

 

 使途秘匿金と混同しやすいのが交際費などの名目で支出した金銭だ。支出先や支出額が明らかであっても、その使い途が明らかにされていない「使途(費途)不明金」だ。ざっくりとした違いを説明すると、使途秘匿金は「支出内容を隠す」ものであり、使途不明金は「支出内容が分からない」ものと言える。使途不明金も損金には算入できないが、ペナルティーとしての税金は課されない。(2019/02/13)