税金がどのように使われているのかを知ることは、納税者としての権利だ。そのために、内閣にも裁判所にも属さない独立した憲法上の機関として「会計検査院」が存在する。
憲法90条では、国の収入支出の決算はすべて検査院がチェックし、その結果を毎年内閣に提出しなければならないと定めている。また会計検査院法では、検査院は内閣に対して独立の地位を有すると規定されている。
検査の結果、税金の無駄遣いが判明すれば、検査院は各省庁に対して是正を求めることができる。また重大な過失などによって国費が失われた場合には、責任者に対する懲戒処分を要求することも可能だ。
最新の2017年度のデータでは、検査院によって一年間で374件、約1157億円の税の〝無駄遣い〞が指摘されている。しかし懲戒処分の要求に一定の拘束力がある一方で、無駄遣いの指摘への対応は各省庁に任されている。そのため、検査院の指摘が次の予算編成や執行に反映されているとは言いがたいのが実情だ。(2019/12/20)