雇用対策法では、労働者の募集や採用について「年齢にかかわりなく、均等な機会を与えなければならない」と規定している。このため、求人の際に年齢制限を設けて人材を募ることは原則として禁止されている。ただ、「原則として」という以上は必ず例外があるものだ。
定年を65歳としている会社で「65歳まで」と年齢制限をするのは当然ながら認められている。また、深夜業や危険物の取り扱いなど、労基法で年齢制限のある業務について「18歳以上」とするのも合法だ。
採用する側が最も柔軟に使える理由が「キャリア形成が必要な場合」だ。一人前となるのに時間がかかる業務で、ようやく使いものになったと思ったら定年目前だった、というのでは話にならない。そうした企業は、若年層を採用して時間をかけて育てる目的で「30歳未満」などとすることが認められている。
ただしこの際には「経験不問」としなくてはならないため、「40歳未満募集(ただし営業経験のある方)」というのは禁止だ。
また、技能承継の観点から減少傾向にある特定の年齢幅を補うための年齢制限も違反とはならないとされている。ここで定める「特定の年齢層」とは30〜49歳で、特定の5〜10歳幅の年齢層で認められる。業界全体の年齢層でなく自社の範囲でよいので「電気工事技師として30〜35歳」という募集は可能だ。このほか芸術作品のモデルや演劇の子役なども年齢を区切って募集することが可能だが、単に特定の年齢層を対象とした「30歳以下のイベントコンパニオン大募集」というのは認められない。(2019/07/24)